ハッカーと画家と起業とLisp
はてなブックマークを利用し始めて、いたるところで目にするようになった本「ハッカーと画家」。
書店で見つけて、なんとなく読んでみることにしました。
しかし、読み始めると思いのほか時間がかかり、自分は読み終えるまでに10時間以上はかかってしまったと思います。
冒頭で、この本は各章で取り扱う話題が分かれているため、つまらない章は飛ばしてもいいよ、みたいなことが書かれているのですが、自分は全部読んでいくことにしました。そして、全部読んでよかったと感じました。
特に、起業を考える方にとっては大きな後押しになると思います。
富の創りかた
本書ではWebベースアプリケーションの真価やベンチャー企業にスタートアップすることの重要性を力説しています。
しかし、ただ単純に起業すればいいよ、みたいな内容ではなく、その利点や問題点、最低限気をつける部分においても紙面を割いています。
個人的に、起業といえば自分がCEOや社長として会社を立ち上げることをイメージしがちでした。しかし、自分が最高責任者になると会社が失敗した時にリスクが生じますし、必ずしも社長になるべきではないと思いました。
ベンチャー企業の利点は、好きなように開発に時間を割けることだと思います。何時間でも働いて、それに対する対価が(大企業に比べて)正当に支払われます。
その分、最初のメンバー選びは重要だと思いますし、本書でもそれについて書かれていました。
ベンチャー企業は、全員が能力のある人であるべきです。立ち上げでそれを集めるのは大変ですが、もし集められなければ失敗してもしょうがないと思います。
起業をする人は、そこらへんもしっかり考えるべきだと感じました。
プログラミング言語Lispについて
この本を読む前から、ハッカーと画家ではLispをすごい推しているということは知っていましたが、実際その通りでした。後半辺りから、Lispについて触れ始めます。
ハッカーと画家によると、現代のプログラミング言語はLispに近づいていっているそうです。本当にそうだとしたら興味深いですね。
昔のプログラミング言語なんて・・・と考える方もいるかもしれませんが、そもそもプログラミング言語はそのへん特別で今もかなり昔の言語が使われていますし、新しいものがいいものとも限りません。
だから、なぜ1950年代の言語が時代遅れにならないかという簡単な説明は、 それが技術じゃなくて数学だったということだ。数学は色あせない。
現在Lispはあまり使われていないかもしれませんが、著者のPaul Graham氏はLispを使ったことによる起業のメリットについても語っています。
自分はぜひ、今後Lispに触れてみたいと思いました。
さいごに
本書の最後に、プログラミングの上達方法が簡潔に書かれていました。 (この本ではすごいプログラマー=ハッカーとしています。)
最後に、ハッカーが皆考えている質問を扱おう。どうやったら素晴らしいハッカーになれる? 誰かを素晴らしいハッカーにする方法ってのがあるのかどうか、私は知らない。けれど、これをしていれば自分はまぬけになるだろう、ということは確かにある。自分をまぬけにする方法があるなら、自分を賢くする方法もあるかもしれない。 良いハッカーになる鍵は、たぶん、自分がやりたいことをやることだ。 私が知っている素晴らしいハッカーを考えてみると、彼らに共通することの一つは、彼らが自分から望まないことをやらせるのは極めて難しいだろうということだ。これが原因なのか、結果なのかは定かではない。もしかすると両方かもしれない。 何かをうまくやるためには、それを愛していなければならない。ハッキングがあなたがやりたくてたまらないことである限りは、それがうまくできるようになる可能性が高いだろう。14才の時に感じた、プログラミングに対するセンス・オブ・ワンダーを忘れないようにしよう。今の仕事で脳味噌が腐っていってるんじゃないかと心配しているとしたら、 たぶん腐っているよ。
やはり、やりたいことをやるのが一番ですよね。
これから勉強をしていく中で、本書はそのモチベーションアップにつながると感じました。手元にずっとおいておきたい一冊ですね。
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